評価はストック・リサーチ独自の評価基準に基づいています。コスト・サービス・商品・機能・サポートの5項目を中心に証券会社を評価しています。ランキングは総合ランキングと投資家のタイプ別に作成しています。ポイントは10点満点です。

今回のランキングは、2007年12月1日時点のサービス内容を反映したものとなっている。
今回は、ネット専業証券2社(ジョインベスト証券、クリック証券(旧社名:GMOインターネット証券))の新規参入から約1年半が経過し、今年中国株取引で新規参入した岡三オンライン証券が7月から日本株の取り扱いも開始するなど、3社の商品・情報サービスがある程度出揃った時点でのランキングとなっている。
<サービス動向について>
昨年のネット専業証券の新規参入から今年の12月までのサービス動向を簡単に振り返ると、まず、ジョインベスト証券、クリック証券が最低水準の手数料を打ち出しての参入となったため、信用取引手数料を中心に手数料水準は大幅に下がった。既存のネット専業証券(SBIイー・トレード証券、楽天証券など)も手数料を引き下げ、約定代金50万円の信用取引手数料を例にとると、それまで最安値が400~500円だったものが、100~200円までに下がった。現物取引の最安値は、約定代金50万円で400~500円だったものが300~400円程度に下がった。
この結果、手数料が安いといえる目安は、現物取引で約定代金50万円:500円前後、100万円:800円前後、300万円以上の価格帯:1500円前後、信用取引では約定代金の価格帯を問わず500円以下、となった。昨年の引き下げ以降、手数料を引き下げている証券会社はほとんどなく、現在もこの水準が維持されている。
商品については、夜間取引の取り扱いに動きが見られた。2007年8月以降、SBIイー・トレード証券とクリック証券が、SBIジャパンネクスト証券が運営する私設取引システム「ジャパンネクストPTS」へ参加することにより夜間取引サービスを開始する一方、松井証券が11月末で夜間取引から撤退した。
情報面に関しては、取引・投資情報ツールを無料で提供する証券会社が徐々に出始めている。従来は、自動更新される株価やチャート、ニュースなどの投資情報と取引画面がセットになった多機能ツールは有料で提供されていたが、昨年9月に無料で提供を開始した松井証券に続き、ジョインベスト証券、マネックス証券も無料提供を開始している。
<ランキングについて>
総合ランキングは、総合力を評価するランキングであるため、全サービスを評価の対象としているが、ネット証券ならではといえるサービス、投資家のレベル・タイプを問わないサービス(例:手数料の安さ、サイトの見易さ・使いやすさ、情報量、品揃え)には特に重点を置いている。
SBIイー・トレード証券は、品揃え、手数料、サイトの使いやすさ、入出金機能、ネット上のサポート(Web上の問い合わせ・お知らせ画面など)などで高いポイントを獲得し1位となった。特に品揃えは他社を大きく引き離してのトップとなっている。自動更新株価情報が原則有料となる点や、注文の種類が逆指値までであり「逆指値+指値」や「反対・連続注文」などがない点は、上位に入った他の証券会社よりポイントは低かったものの、総じてレベルの高いサービスがどのカテゴリー(手数料・商品・情報・機能・サポート)でも提供されており高く評価できる。楽天証券もサービス全体のバランスは比較的よいといえるが、どちらかというと独自性の高いサービスが多いことが特徴である。今回の2位獲得も、外国株や海外ETFなどの取り扱い、外貨送金のサービス、操作性の高い自動更新株価ツール(マーケットスピード)などが評価された面が大きい。
カブドットコム証券とマネックス証券は、注文の種類と自動更新株価情報・チャート・アナリストレポートなど無料情報の豊富さ、次いで商品バリエーションの順で評価された。ただし、両社とも手数料面では上位2社に大きく引き離されている。
以上の上位4社までは、得意・不得意分野があるもののハイレベルなサービスをバランスのよく提供しているといえるが、5位以下は、手数料や品揃え等の面でバランスを欠くところが出てくる。たとえばジョインベスト証券は、手数料の安さと無料情報は上位の証券会社に劣らないが、品揃えはまだ不十分だ。ただし、同社はサービス拡充過程にあり、2008年から先物・オプション取引の取り扱いも予定されているため、今後順位が上がる余地は十分ある。クリック証券は、ジョインベスト証券とは対照的に、株式のほかは先物、オプション、FXなどハイリスク商品が中心であり、デイトレーダー向けの情報や取引ツールなどが充実している。手数料も安く、これらのサービスが評価されランキングに入ったが、多くの証券会社で提供されている投信の取り扱いはない。オリックス証券、岩井証券、リテラ・クレア証券は、1つ1つのサービスのポイントの高さではなく、サービス全体で少しずつポイントを積み上げたタイプであるが、オリックス証券は信用取引手数料と注文の多彩さでは上位の証券会社に劣らない。
積極投資派ランキングは、頻繁に取引をする投資家向け(特にデイトレード時)の手数料の安さや、パソコン、携帯電話における取引・情報ツールの提供、ハイリスク商品の品揃え、注文方法の多彩さなどが充実している証券会社が上位に入っている。1位・2位の楽天証券、SBIイー・トレード証券はこれらのサービスでほぼまんべんなくポイントを獲得しているが、SBIイー・トレード証券は注文方法での評価が楽天証券に及ばず2位となった。松井証券とカブドットコム証券、岩井証券は一般信用取引サービス(特に売り建てが可能な点)が充実している点が評価された。クリック証券、ジョインベスト証券、岡三オンライン証券は手数料の安さと取引・情報ツールの評価が高かった証券会社である。加えて岡三オンライン証券は中国株の取り扱いもポイントとなった。
コスト重視派ランキングにおいては、クリック証券が信用取引手数料が一律150円で最安値となり、また1日定額制手数料でも最も高いポイントを獲得した。現物取引は約定代金が高くなるほど手数料も高くなるが、最も高くなる価格帯でも1260円と5位以内に入る安さで総合1位となった。ジョインベスト証券、SBIイー・トレード証券、岡三オンライン証券、そしあす証券、楽天証券は2位~5位の順位差が出たものの、ほぼ同水準の手数料と考えてよい。現物取引の通常手数料で比較した場合、2位のジョインベスト証券と5位の楽天証券の差は100円程度である。ネットウィング証券は約定代金を問わず一律料金であるため、現物取引の300万円以上の価格帯で他社より割安となっている。
長期投資ランキングは手数料部分よりも品揃え、銘柄選びに役立つ情報、サポートなどに重点を置いているため、ネット証券の中では手数料が高い店舗型証券会社が10位以内に入ってくるのが特徴である。今回も日興コーディアル証券、野村証券がそれぞれ6位、7位に入った。電話や店舗でのサポートが受けられるのもこれら店舗型証券の特徴であり、サポート面でも高いポイントを獲得した。店舗型証券会社が検討する中、品揃えでトップクラスのSBIイー・トレード証券とマネックス証券が1位・2位となった。SBIイー・トレード証券は、投信や債券など取扱商品に関する情報も充実している。松井証券は上位に入った他社よりも品揃えの面で劣るが、一般信用取引、外貨建てMMFのサービス、アナリストレポートや銘柄分析ツール(ネットストックハイスピード)などでポイントを獲得しての10位となった。