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証券投資入門

資産運用しよう!

(1)高度成長期から安定成長期への移行

「お金を増やそうと思ったら、本格的な資産運用に取り組む必要がある」。今、私たちはそういう時代に生きています。

なぜ、本格的な資産運用に取り組まなければならないのでしょうか。それは、日本経済が成熟段階に入ったからです。

かつてのような高度経済成長時代には、お金は預貯金に預けっ放しにしておくだけで、勝手に増えていきました。

右肩上がりの経済成長にそって、物価や地価もどんどん上昇。日本経済は常にインフレ気味の状態にありましたから、その分、預貯金金利も高めに設定されていたのです。

ところが、今はどうでしょう。成熟経済になると、高度経済成長は期待できません。物価も、今やデフレが話題になるように、むしろ下がり気味です。

さらに、これからは本格的な少子高齢化時代を迎えますから、土地も余ってきます。つまり、地価の上昇も、それほど期待できません。

そうなると、かつてのように、「10年間預けておいたら元本が倍になった」というような、高い預貯金金利は、もはや望むべくもないということになります。

だからこそ、本格的な資産運用が関心を集めるようになってきたのです。成熟経済でも、成長する企業は伸びます。その企業の株式を取得する。

あるいは、日本よりも高い経済成長が期待される中国などの諸外国で、お金を運用する。投資信託を使えば、今や世界中のマーケットで、運用することができます。

これから成長する企業、あるいは国は、たくさんのお金を必要としています。こうした企業や国に対して私たちのお金を投じれば、企業や国は助かりますし、大きく成長すれば、値上がり益や配当金を通じて、利益分配を得ることができます。

成熟国に住む私たちならではの、お金の増やし方だとは思いませんか。

(2)運用ツールの増加

98年の金融ビッグバンによって、金融の自由化が加速。その結果、私たちの資産運用の環境も、随分と改善されてきています。

何よりも重要なのは、個人にとって、資産運用の選択肢が拡大したこと。株式の委託手数料が完全自由化され、手軽なコストで株式取引に参加できるようになりました。

これまで株式投資といえば、コストが割高だったため、一度保有したら、出来るだけ長期で保有するというスタンスが一般的でしたが、かつての10分の1程度までコストが下がったことによって、証券会社のディーラーのように、短期売買に徹することも可能になったのです。

また、投資信託の分野に参入する運用会社も急増。バブルピークの頃でさえ13社しかなかった投資信託会社の数が、今や60社近くまで増えました。

かつてのように、国内の証券会社系列の投資信託会社だけでなく、外資系や銀行系、保険会社系、さらには独立系と、多種多様な設立形態の投資信託会社が登場してきたのです。

為替の分野に参入する証券会社も出てきました。外国為替保証金取引と呼ばれるサービスが登場したことにより、個人でも、外国為替ディーラーと同様に外貨を売り買いし、リターンを狙うことができます。

このほか、かつてはプロの投資家しか利用しなかった株価指数先物取引、オプション取引といったデリバティブも、どんどん個人が利用できるところまで、敷居が低くなってきています。

こうした運用ツールを上手く活用するためには、まずは自分自身が取ることのできるリスクを把握し、それに見合った商品を探す目を持つこと。

もちろん手間暇はかかりますが、ある種、ゲームとして楽しむという感覚を持つことも、大事なことかも知れません。

(3)年金危機

「年金をもらえないかも知れないリスク」への備えとしても、自分で資産を運用するという気持ちを持つことが、大事です。

これまで年金といえば、もらえるのが当たり前の時代でした。

しかし、現在30代の人たちにとっては、たとえ厚生年金や国民年金などの公的年金といえども、払った保険料に見合う年金はもらえないというのが常識です。子供の数が減る一方、高齢者人口が急増しているのですから、当然の話です。

定年後、ある程度、豊かな生活を送ろうとしたら、公的年金にだけ頼っていてはダメ。やはり、自分で資産を増やすという発想を持つ必要があります。

しかも、自分年金を作るための資産運用ですから、50代よりも40代、40代よりも30代というように、若いうちから始める方が、より有利になります。それは、時間を味方につけることができるからです。

株式にしても投資信託にしても、マーケットの動向に応じて値動きする価格変動商品です。

値上がりするだけでなく、値下がりすることもあります。仮に値下がりした場合、再び損を取り戻すまで待つことのできる時間的ゆとりがないと、資産運用はなかなか上手く行きません。

だからこそ、少しでも若いうちから、資産運用を始める価値があるのです。

(4)ペイオフ完全解禁

予定通り進めば、2005年4月からペイオフが完全に解禁されます。そうなると、銀行預金でさえ、必ずしも元本保証ではなくなります。

1金融機関1預金者につき、元本1000万円とその利息分までしか、預金保険による保護を受けられなくなるからです。

一方、証券会社の場合ですが、もちろん経営破綻すれば、その口座を使い続けることはできなくなるものの、株式や債券、投資信託などの有価証券の所有権は、あくまでも本人に帰属しますから、たとえ破綻しても、ほぼ全額が保全されます。

特に投資信託の一種であるMRFは、銀行預金に近い元本安全性を持つ一方、投資信託なので、ファンドの資産は信託銀行が管理しています。

つまり、購入窓口になる証券会社が破綻しても、購入金額の一部がカットされる心配は、一切ないのです。

これから迎えるペイオフ解禁に向けて、資産の一部を証券会社に移すというのも、自分の資産を守るうえでは、必要なことなのです。