大和田智美の「簡単な株の話」

第1回 株って何だ?(1):株とギャンブルはどう違う?
更新日:2010年2月3日

 まずは株って何だろう?の疑問を解消していきましょう。第1回は誰もが思う「株ってギャンブルと同じなの?」という素朴な疑問から。


 今、いざというときのために、将来のために、どうやってお金を殖やしていますか?

 銀行に預けても利息なんてほとんどつかない、年金はもらえるかどうかわからない・・・と不安に思ってもここで「株でも買ってみるか」という人はほとんどいないのではないでしょうか。おそらく「株はギャンブルだから手を出すものじゃない」というイメージが強いのだと思います。

 株=ギャンブルって本当に合っているのでしょうか。株って一体何なんでしょうか?


 株というのは昔からあるものなのに、今だに「ギャンブルかどうか」という話になるのは、実は、株って何だ?という答えを出すのはとても難しいからなのです。今のところスッキリした答えはない、というのが近いでしょうか。

 しかし、厳密には線引きは難しくても、この2つは「違う」と言ってよいでしょう。決め手は「必ずゼロサムゲームになるかどうか」です。この「必ず」というのがポイントです。


 まず、ゼロサムゲームというのは、簡単に言えば、株なら株、競馬なら競馬の参加者の利益を合計するとゼロになることを言います。ギャンブルは参加者から掛け金を集めて、勝った人に渡すというシステムですから、勝った人の利益は負けた人の損失と同じ金額になるわけです。したがって、ギャンブルは「必ず」勝った人と負けた人の利益(と損)を足すとゼロになります。投資商品は必ずしもそうなりません。全員が勝つことも負けることもあるからです。この点が大きく違います。

 ただし、投資の期間を短くすればするほどゼロサム性を帯びてきます。ですから、1日のうちに何度も売買を繰り返すデイトレードがギャンブルのように捉えられるのはあながち間違いでもないのです。そして、FXなどの為替取引は必ずゼロサムゲームになります。為替取引は2つの通貨のトレードですからどちらかが上がったらしたらどちらかが下がります。したがって、為替取引はギャンブルの要素が強いと言えます。

 もう一つ、これはギャンブルや株の本質ではなく付随的な要素なのですが、ギャンブルと株では参加者が得る金額の総額が大きく違います。さきほどギャンブル、為替取引は参加者の利益を合計すると必ずゼロになる、と言いましたが、ゼロというのはギャンブルにおける主催者の取り分(いわゆるテラ銭)や為替取引におけるスプレッド、株取引における手数料は考慮に入れない場合の話です。


 実際にはギャンブルにおいてはゼロではなくマイナス、しかも大幅なマイナスになります。株は必ずしもそうはなりません。仮に市場全体の株価に変化がないと仮定しても(現段階でこの仮定は重要)、若干のマイナスになるだけです。

 これは主催者の取り分、スプレッド、手数料の割合の違いです。ギャンブルでは参加者が賭けた金額の何パーセントかを主催者(競馬ならJRAなど、パチンコならパチンコ屋さんが当てはまります)がとって、残りをそのギャンブルの勝者に分配するシステムになっています。この主催者の取り分の割合が投資商品の手数料に比べてかなり高いのです。例えば競馬は25%、パチンコは15%程度、宝くじは50%以上です。株は証券会社ごとに手数料が異なりますが、最も高い証券会社で1%程度です。投資信託になると販売手数料やプロに投資をしてもらっている分の手数料などを合計すると3~5%ほどになることもありますが、ギャンブルとの比較で言えばかなり少ないと言えます。こんな違いもあるわけです。


 「あれ?じゃあ株や投信も手数料が取られるから最終的に必ずマイナスになるんじゃない?」という疑問が出てくるかもしれませんが、必ずしもそうはなりません。この続きは次回に。

株式会社ストック・リサーチ 大和田 智美

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更新日:2010年9月6日
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